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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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チームの『不問律』を創る

7月にチームを結成して今は『チームカラー』を創っています。

「カラー」とは全員で徹底する「考え方の礎」や「技術的な約束事」です。


指導者が口を挟まず、選手が自発的に考え、選手がやりたいこと優先で


耳障りの良い、いかにも民主的な感じがする言葉が並んでますね。

残念ながら事はそう簡単ではなくて、批判を恐れずに言うと、これではチームとしては成立しない、もしくは別のトラブルが発生する確率が高いです。


なぜなら子どもたちは育った環境や教えを仰いできた人も違えば、経験・スキルも違うので、それまでに各々の中に形成されている常識が異なるからです。大人であれば話し合い、お互いの背景を鑑みながら折り合いをつけていきますが、子どもの場合は上手くいかない事が多く、「上手い選手の常識が優先」「声が大きい選手の常識が優先」、酷い場合には「指導者や役員の息子の常識が優先」といった事態が起こります。


チームの一員として秩序を守り、お互いを思いやりながら活動していくためには基軸となる公平かつ合理的な「不問律」がある程度必要となります。そしてチーム内に「不問律」が浸透するまでは指導者が労力をかけなければならないと思います。


これはほんの一例ですが、今年の秋シーズン、うちのチームは「守備力強化」の方針のもと、守備に関する幾つかの不問律の浸透に力を注いできました。「BayWindsの選手であれば言わずともこれは当たり前」という要素を選手に形成していくことです。最終的には指導者が口を挟むことなく、先輩から後輩へ不問律が受け継がれていく姿をイメージしています。具体的には「姿勢」「ボールの見方」「捕球位置」「足運びのタイミング」などです。この秋は特に「股割り」に力を注いで取り組んできました。「股関節の柔軟性改善」「股を割ってゴロを捕球するための筋力強化」「繰り返しのゴロ捕球ドリル」などに相当時間を使いました。選手が頑張ってくれたおかげで、「守備力強化」は相応の成果が出たと思っています。


そして、最近は選手同士で「不問律」に即しながらお互いにアドバイスや意見交換がし合えるような関係になりつつあります。


これを聞いて「指導者が選手を型に嵌めようとしている」と感じた方がいらっしゃるかもかも知れませんが、私は「型を知ってこその『型破り』」だと思っています。これは古来から日本の武道などにおける「守破離」の思想と同じです。


守:師匠の教えや技を忠実に守り、基本の型を身につける段階

破:他の師や流派の教えも研究し、良いものを取り入れ、型・技を発展させる段階

離:身に付けた型・流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階


現在、うちの選手たちは「守」の段階にいます。ここから他チームとの合同練習や練習試合などを通じて他派の流儀を目にして、良いものを取り入れていく「破」の段階に突入していきます。やがて「離」に昇華して、己を確立していってくれると思います。


秋に守備でそこそこの成果が出たこと、守備を強化していく中で下半身の安定度が上がってきたことで、冬は「打撃不問律の確立」に移行していきます。

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