前回の投稿で選手には「競争型」「協働型」「マンツーマン型」の選手がいて、それぞれ適性が高いチームが異なるということを書かせて頂きました。野球チームを選ぶ際にはまず自分のお子さんがどのタイプかを見極めることが必要です。
「親だから我が子のことはよく分かっている」と思っていても、意外と我が子に対する過大評価や過小評価、誤解、勘違いなど、正確に把握できていないことはよくあります。例えば「うちの子は野球が大好きで・・・」と我が子を評する保護者は多いですが、「好き」にも色々あって、その詳細までは保護者でも正確に把握できていないケースはよくあります。
野球が上手くなるためならどんな努力も厭わない
打撃は一生懸命練習するけど、守備は不真面目
練習は嫌いだけど友達とグラウンドで戯れ合うのは好き
口では「好き」と言っているけど、本当はそうでもない
など、「野球好き」と言っても様々です。
体験会でチームを訪問した時に指導者が「うちの選手は本当に『野球好き』が多い」と言っても、どれを指して言っているのか指導者の言葉だけでは分かりません。本気で「野球上手くなりたい」と思っている子が、ヘラヘラ笑いながら適当にプレーして「楽しい」と言っているチームに入団してもストレスが溜まるだけですし、逆も然りです。このように「野球好き」という言葉の解釈の相違でも、チーム選択のミスマッチは起こります。
ミスマッチは「野球チーム側の言行不一致(=話が違う)」というチーム側に責任があるケースだけでなく、選手側が「本人の特徴を見誤ったために自分に合わないチームを選んでしまった」という選手側に起因するケースもあります。野球はうまいけど引っ込み思案の選手が大所帯で競争が激しいチームを選んで挫折する、などはよくある話です。
まずは自己分析が大事です。

『競争型』のチームに適性が高い選手の特徴
ルールを遵守できる
他人と比較されることを厭わない
他人や周囲を観察する能力が高い
自分で考え、言われたこと以上のことを取り組む姿勢
考えをすぐに行動に移すことができる
言い訳をしない
簡単に諦めない
問題が起こった時に自責視点で原因を考えることができる
『協働型』のチームに適性が高い選手の特徴
ルールや約束を遵守できる
他人や周囲を観察する能力が高い、または興味を持てる
他人の気持ちになって考え、行動できる
他人が嫌がることも率先して取り組むことができる
他人に貢献したいという気持ちを持ち、行動できる
周囲に配慮しながらも自分の意見を相手に伝えることができる
悩みなどを他人に打ち明けることができる
周囲に「ポジティブな声かけ」ができる
他人の成功を心から祝福できる
『マンツーマン型』チームに適性が高い選手
他人と自分を比較すること、他人から評価されることが苦手
やるべきことを直接的に、かつ詳細に指示された方が上手くできる
自分から積極的にコミュニケーションするのが苦手
周囲に惑わされず、自分のやりたいことに集中したい
他人の行動に興味を持てない
ルールに縛られるのが好きではない
上記は特徴の一例です。
これは「マンツーマン型の適性が高い選手」が競争型のチームに行ってはいけないという話ではなく、もしもマンツーマン型の適性が高い選手が競争型のチームに行く場合には、競争型のチームに適合できるような努力をしないといけない、という話です。大きなチームになるほど、チームが個人に合わせてくれることはありません。これは企業も同じです。
「大所帯で競争が激しいチームでレギュラーになりたい」と思うなら、仮に性格が引っ込み思案だとしても、自分で積極的に機会を求めて行動する人になる必要があって、その覚悟を持って競争型のチームに入団する必要があると思います。
保護者は自分のお子さんがどのタイプかを把握することで、体験会に行ったときに我が子とチームの相性を把握しやすいと思いますし、入団後にどんな努力をしないといけないのかも想像しやすいと思います。
ちなみにうちのチームは『協働型』を目指したチーム作りをしています。