top of page

東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

「Blog更新のお知らせ」を受け取り希望の方は下記にメールアドレスを入力してください

送信ありがとうございました

検索

練習の「やらされ感」って何?

  • 2024年11月26日
  • 読了時間: 3分

もう11月も終わろうとしています。野球界では冬季練習の季節です。

「冬練」といえば、体力強化であったり、地道な基礎練習など、選手にとっては必ずしも能動的に取り組みにくいものであることは否めません。私も自分の現役時代を振り返れば、凄く冬練が好きだったかといえば、答えは「No」です。高校生くらいまでは自発的に練習メニューを考えて取り組むこともありませんでした。


では私にとって冬練は「大人に命令されてやらされるもの」だったかと言えば、決してそうでもなかったと思います。確かにメニュー自体は監督・コーチから課せられたものでしたが、そこに「やらされ感」みたいなものは感じたことはないです。


そもそも「やらされ感」とは何のことでしょう?


ここには2軸の考え方があります。

練習メニューは誰かが「これをやる」と決定することで決まります。決定に至るまでには選手の「やりたいこと」、指導者の「取り組んで欲しいこと」と大きく分けて2種類存在します。この2つは必ずしも一致しません。これが1つ目の軸。もう1つの軸は、その練習を選手が能動的に取り組むか、受動的に取り組むかという観点になります。


「練習内容決定の主導権」「選手の取組姿勢」という2つの軸に分けると、4つの象限が生まれますが、理論上④は存在しないので実際は3つのパターンです。この象限に当てはめると、私が高校生くらいまでに取り組んでいた練習のほとんどは②だったと回想します。③をもとに自分で練習メニューを考えて取り組むようになったのは大学生くらいになってからだと思います。


でもそれは仕方ないことだと思います。

小学生、中学生くらいの頃はもちろん、高校生でも競技技術に対する知識や体のことなど知識が十分でないため、「自分で考えて練習」と言っても知識の幅が狭く、発想や思考も限定的なものになってしまうからです。つまり③だけだと練習内容に偏りが出たり、効果が不十分なケースも少なくないからです。そのため指導者の支援を受けながら進めます。私自身、子どもの頃から他人に指図されることが好きな子ではありませんでしたので、指導者から命令されるのは嫌でした。しかし当時は指導者に逆らうなんてできない時代でしたから、自分で「このメニューの意味は?」を思考して自分で自分を納得させる、または指導者に質問してその意味を教えてもらうことで納得して練習に取り組んでいました。


長々と書きましたが、練習の「やらされ感」とは、練習メニュー決定の主導権を誰が持っているかはあまり関係なくて、選手の練習の取組姿勢によって決まるものだと思います。


私が普段、向き合っているのは中学生です。

反抗期もあります。態度には出さなくても、そうそう簡単に納得なんてしません。だからと言って「選手のやりたいこと」に寄せてしまうと、練習の効果は限定的になります。「選手のやりたいこと」つまり③を優先することは簡単です。しかし、「指導者の手腕」というのは②を増やしていくことが重要ではないかと思います。


とまぁ、ここまではよくある話なんです。

最近では「練習前にその目的と意義を丁寧に説明する」といった指導の話もよく出てきますが、実際には「説明すれば納得する」と言った単純なものではないのです。


今日はこの辺までにして、次回は「指導者が課した練習を選手に能動的に取り組んでもらう方法」について書きたいと思います。

 
 
bottom of page