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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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部屋でできる「野球の『姿勢』」

今日は久々に技術の話を書こうと思います。

最初に問題です。まずは下のイラストをご覧ください。

この2人の「座っている人」。

上から頭を押さえた時に立ち上がることができるのはどちらでしょう?


正解は①です。

恐らく②の場合は、仮にこの人がプロレスラーのような強靭な足腰であっても、私が指1本で頭を押さえただけで立ち上がることはできなくなるでしょう。

その理由は「頭とかかとの位置関係」です。立ち上がる時には当然ながら膝を伸ばすことで立ち上がろうとしますが足の真上に頭が位置している①の場合には垂直に立ち上がれますが、②は一度頭を足よりも前に持っていかないと立ち上がれないので、頭を押さえられた時点で立ち上がれなくなります。


一見、野球には関係なさそうな話ですが、野球における「頭と足の位置関係」がパフォーマンスにとても影響するのです。


人間の体で最も重いのは「頭」です。

一番重いものが一番上にあるのでそもそもが不安定です。動作の再現性が求められる野球においては、身体のバランスを保ち、安定したパフォーマンスを出すために「頭の位置」がとても重要です。


今回は打席で3つの構えをしてみました。

「オープンスタンス」「クローズスタンス」「スクウェアスタンス」の3種類です。僭越ながら今回のモデルは私です。

私は大学時代に患った頸椎ヘルニアの影響で若干ストレートネックです。スクウェアだと頭が入りすぎてバットを振った時に軸が若干ホームベース寄りに倒れてしまうので、オープンスタンスで構えた方が頭の位置が安定してバットが振りやすいのでオープンスタンスで構えています。最近、小・中学生のストレートネックが増えているそうですが、野球で「オープンスタンス」が増えていることと関係あるかも知れませんね。

この頭と足のラインがホームベース側に傾いている選手はスイングした後にバランスを崩してホームベース付近に足をつく選手が多いです。


次は投球の話です。一応私はこっちが専門分野です。

私はボールを投げる時にはこの「立ち姿」がとても重要だと思います。この時に理想は「軸足かかとの上に頭が来る」が最もバランスが良いと思います。投手を指導していて、ここの「立ち姿」において「頭がお腹の方に倒れる」または「重心が爪先側に寄っている」場合にはかなり高い確率でその投手はインステップします。逆にかかとよりも頭が外に振れてしまう選手はアウトステップします。


アウトステップもインステップもボールを投げる方向に対してはベクトルがずれるので球速はロスします。そして投手が最も効率よく下半身を使えるのは「軸足かかととキャッチャーミットを結んだライン上に足を踏み出すこと」です。


理想的な踏み出しを行う上では「頭の位置」はとても重要です。


今は屋外でプレーする機会が少なく、自宅内でのトレーニングや自宅周辺での素振りなど基本練習の機会が多いのではないかと思います。実は最近、「まっすぐ立てない選手」は増えているように思います。


こういう機会だからこそ、「姿勢」特に「頭の位置」を再確認する時間に充ててもそれは決して無駄なことではないと思います。

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