私は子どもの頃から「人間観察」が好きです。
野球選手を見る時にもその選手の「技術」だけでなく「本人が描いている『意図』」を想像しながらプレーを見るのが好きですね。そしてあとで「意図」を質問した時に返ってくる答えによって「この選手は頭がいい」ということが分かります。
うちのチームに大学生のコーチがいます。
うちの卒団生ですが、高校時代は守備のスペシャリストとして強豪校でプレーし、現在は私の熱望に応えて主に内野守備の指導に携わって頂いています。
初めて彼と出会ったのは彼が中学生の時。当然ながら私の方が野球歴は長いわけですが、彼から感心させられること、学ぶことはたくさんあります。彼のプレーには必ず『意図』があります。
「今のゴロ、捕る位置がいつもと違ったけどなぜ?」と聞けば
「捕った後の送球を考えるといつもの位置で捕球すると身体が流れて送球が弱くなってしまうので、あの位置で捕るとバランスを崩さずに強い送球が投げられるんですよ。」
など、技術的な質問をすると必ず具体的で明確な答えが返ってきます。
内野ゴロひとつ捌くことに対してこんなに頭使ってプレーしているのか?
しかもそれを他人に明快な言葉で伝達できる。私にできないことができる「頭の良い野球選手」だからコーチとして招聘しました。
頭の良い野球選手は以下のような特徴があります。
①目的や意図が明確
目的や意図が明確であれば意思決定が早くその後の行動が具体的かつ詳細に徹底されるので、結果として成功する確率が高い。
②行動が具体的で早い
行動が具体的かつ早い選手は準備ができていて余裕を持ってプレーができるため、安定的に結果を出す確率が高い。
③視野が広く、想像力が豊か
視野が広く、思考する選手はその場だけでなく「この後何が起こるか?」などの想像力が豊か。頭が良い選手はそれを何パターンも想像するので「不測の事態に慌てる」といったシーンが少ない。
「お勉強ができる子」は確かに『思考の量』は多いです。しかし同じ思考パターンを繰り返す訓練をしているだけの子もいるので「頭が良い選手」とは限りません。しかし「学習しない子」は「絶対的な思考の量」が不足するために行動が遅くなったり、結論が短絡的になってしまうことが多いように思います。
「頭の良い野球選手」を育成するためには指導者自身が学習し、思考して、行動しなければならないように思います。他人の知識を表面的になぞっただけの受け売りだとダメなんですよね。主体的に情報収集し、自らが思考し、実際に試行錯誤の上で出した結論でなければ、指導内容も陳腐なものになってしまって選手も「分かった風」にはなるものの結局何も身につかない。
ああ、これって仕事における人材育成も同じですね。
今日もまたインプットの機会を得ます。
とても楽しみです。