小学生〜社会人野球までの間で選手を比較すると、指導者の選手評価は年齢が上がる程、指導者間の「評価の差」がなくなります。
これは子どもに比べて大人になっていくと選手としてのパフォーマンスに安定感が出てくるからです。つまり当日の調子に左右される要素が減っていくために評価差がなくなっていくのです。
指導者は「試合に使うメンバーを決める」など、選手を何らか「評価」しなければならないシーンがあるのですが、学童〜中学野球の指導者は上記の前提を持って選手を診なければなりません。初めて診た時「上手い!」と思った選手が、翌日見ると「大したことない」という評価に変わるなんてよくあることです。
そんな中で「指導者が選手を観る眼」に狂いを生じさせるのが「先入観」です。たった1度診ただけで「この選手は・・・」と評価を決めてしまうと、その選手の素質や課題を見誤る可能性があります。 繰り返し選手を診ることで、
①安定的に確立されている長所
②その日の調子に左右される要素
③恒常的に発生する課題
に分けて選手を診なければ、指導方法を間違ってしまいます。
そして学童の場合、①はとても少ないです。①と②の見分け方が重要になりますが簡単です。確率論の問題です。 私はご父兄と会話する時には、できるだけこの3つの要素に分けてお子さんの状況を説明するようにしています。保護者は①を多く捉える傾向があります。我が子はかわいいですからそれは仕方ないことです。指導者とご父兄の意見が合わない時は、①の要素について指導者とご父兄の間でコンセンサスがとられていないケースが多いです。
「保護者が評価している要素は①ではなく②であるということ」「現状は②であるが、①にしていくためにどういう方針で指導をしているか」など丁寧に説明すればご理解頂けるケースが多いです。