小学生の頃の私は、野球はともかく、勉強の方はさっぱり苦手な小学生でした。3人兄弟の末っ子でしたが上の2人は優等生。だけど私は体育以外はさっぱりダメ。個人面談では「ご兄姉にくらべて・・・」といわれる始末。
当時の私は両親から「自発的に勉強する時間を捻出できない人」と認定されたのでしょう。希望していたシニアやボーイズには行かせてもらえませんでした。
希望するチームに入れなかった悔しさから「絶対に兄姉と同等の成績を取る」と決意して勉強するようになりました。同時にリトルリーグの仲間に対して「技術的に置いていかれるのではないか?」ということが不安で、部活が終わった後もひとりで自主練習を続けました。「自分の不甲斐なさが原因で回り道になってしまったけど、絶対高校で負けない」と決意して。
この経験から私が学んだことは「時間を捻出する」ということです。「物事を効率良く行う」「合理的に物事を考える」ことで時間を創りトレーニングに励む。見えないライバルに対する不安をかき消すにはそれしか方法がなかったのです。
結果として私は兄と同じ高校に行き、高校野球でもレギュラーポジションを確保し、ある程度の成績を収めることができました。そして「時間を捻出する」は、高校で勉強と野球を両立させていく上でも大いに役立ちました。
今はクラブチームのコーチをやっていますが、うちの選手たちは当時の私よりも「時間を捻出する」ということの難易度が高い環境にいると思います。そして「難しいことにチャレンジしているのだ」という自覚を本人も保護者も持って取り組まなければならない状況だと思います。
「両立」は環境によって造られるものではなく「自らの努力によって時間を捻出すること」によって得られます。
あらためて選手に「時間の大切さ」から教えていかなければならないのだと心を新たにしました。そして、これだけは選手にも保護者の方にもご理解を頂きたいです。
「時間は与えられるものではなく、創るもの」ということを。