今日は守備の話です。 守備練習の定番といえば「ノック」です。私もノッカーをやることが多いのですが、私自身が選手時代、「ノックって守備がうまくなるのか?」という疑問がありました。ノックの時、選手とノッカーの間には「距離」があります。遠く離れたノッカーから守備技術に対して指摘されても、心の中で「お前がやってみろよ」と思っていました。そうです。「物理的な距離」ではなく、「心理的な距離」も存在するのです。
私は打撃練習の時にグローブを持って、選手と一緒にグラウンドに立って、選手の近くで指導するようにしています。選手の近くに居ることで「追いつく球」「追いつかない球」への判断の精度がますので「いける!」というスタートを切る合図を出したり、「今の球は追いつけたよ」という指導の精度が増します。さらに打球を追った後に、選手と一緒にその場所で打球を追う経路を辿り、「こうやって追えばもっと最短距離で打球に追いつくことができる」という振り返りもできます。
時には実際に自分が打球を追ってみることもやります。
普段、選手と会話する時にはもちろん選手と向き合って会話することが多いですが、この「打撃練習中の守備指導」の時は、私は選手の後ろに立ち、選手同じ方向を見ながら、後ろから語りかけるようにしています。 課題を共有し、課題解決方法を一緒に確認する。「ノッカーと野手の距離」ではなく、「選手と同じ守備の目線」で語ること。単純なことですが、こうすることで私が「できる」と思っているイメージを近い距離で具体的に告げて、選手にも「できる」というイメージを共有すること。「できるイメージ創り」を重視するようにしています。技術的なことだけでなく、イメージを共有することでコミュニケーションの効率が上がるように思います。 よかったらお試しください。