「打率」「防御率」「盗塁阻止率」・・・。
野球には多くの「確率」を示す指標があります。野村克也氏が提唱した「ID野球」はデータを駆使した戦術構築・遂行であり、MLBでは「セイバーメトリクス」の数値が編成にも大きな影響を及ぼすくらい「確率」が重視されています。
これらは野球が「確率」を重視することが勝利に大きく影響することを物語っています。そして「確率」が重視されているからこそ「裏をかく」という戦術が成立します。また「確率」と言っても「絶対」というものはありません。だからこそ「予測が外れる、予想外のことが起こる」に備えなければなりません。 例えば学童野球を見ていると、選手がカバーリングに行かないケースがよくあります。これを「カバーに行けよ」言ったところで、その選手はまたカバーリングを忘れます。
カバーリングに行かない原因は③つくらい考えられます。
①自分の役割だと認識していなかった場合
カバーリングには概ねケースごとに「役割分担」があります。その役割分担を理解していなければ「自分の役割ではない」と判断されてカバーリングに行かない状態になってしまいます。
②野手がどこに投げるか予想できていない場合
野球のルールや状況判断が正しくできていない外野手は、内野手がどこに送球するか予測ができないので、当然カバーリングにも行けません。こういう選手に「カバーリングに行け!」と言っても、ルールを理解できなければいつまで経っても自発的にカバーリングには行けません。
③「送球が逸れる」と予測できていない場合
良く言えば「仲間を信じきっている」とも言えます。しかし野球に「絶対」はありません。カバーリングには「もしかすると」という発想とレアケースに備えるという志向が必要です。
カバーリングを例に書きましたが、①〜②は「ルールや常套手段(セオリー)を理解できていないケース」、③は「野球に『絶対』はないということを理解できていないケース」に分類できると思います。
「確率が重視される競技」だからこそセオリーを知ることが必要だし、セオリーを知っているからこそレアケースが想定できて、そのレアケースに備えることができると思います。
「野球は『確率の競技』。でも野球に『絶対』はない」
だと思います。