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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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『野球を知っている』って何?


私が小学生の頃もそうでしたが、グラウンドでは「●●は野球を知っている」「△△は野球を知らない」と他人を評価する人がいました。そして今もグラウンドには「野球を知っている」基準で他人を評価する人は健在です。

「野球を知っている」ってどういう意味でしょう? 少年野球選手の保護者は指導者が「あいつは野球を知らない」と言われても大半の方は意味が理解できないと思います。当然のことだと思います。私も息子を学童野球のチームに入れた時にそのチームの指導者の方が「□□くんは野球を知らないからなぁ」とか評価しているのを聞いて、「この人たちは何言ってるの?」と思ったくらいですから。私はその言葉を聞いて以来、指導者になった後も「野球を知っている」という言葉を使って選手を評価することをやめました。

まぁ、そんな排他的になってもこの競技の進化はないので、今日はこの「野球を知っている」という野球界の慣用句についてちょっと考察してみたいと思います。

「知っている」というくらいだから「知識」を指しているものと考えられます。そして評価される知識量は「自分よりも優っている」場合もあれば「ある基準に達している」場合であっても「知っている」という評価をされるように思います。

さて、厄介なのは「野球」という言葉です。 私が40年くらいの間に聞いた「野球を知っている」の中で指していた「野球」には以下のような意味があったと記憶してます。

①野球の競技規則(ルール)に関する知識

②試合中の状況判断・予測能力

③競技技術に関する理論や知識

④戦略・戦術の選択肢の知識量

⑤対戦相手に対する観察力

他にもあったかも知れませんしもっと適切な分け方あるかも知れません。そして試合中はだいたい①〜⑤は単体ではなく複合的に必要とされます。

例えば試合中に「相手の作戦を読み違えた」という現象が起こったとします。その場合に原因として考えられるのは②と④です。②の「確率の予測方法」に問題があったのか、④の「そもそも選択肢を知らなかったのか」によってその後の指導方法も変わります。指導者がそこを読み違えてしまうと選手はいつまでたっても成長しません。

本当に選手の成長を願うなら「言葉の具体性」はとても重要だと思います。

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