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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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自らの「理論の合理性」を大切にする


さて問題です。

この図における

①、②、③の中で最も移動速度が高いのはどれでしょうか?

わかりますよね?

答えは③です。

この答えには「中心の回転速度が同じならば、先端の速度は円弧の大きさに相関する」という合理的な理由があります。

野球にも中には合理的な理由がある技術もあります。

以前ご紹介した菊池雄星選手の投球フォームをちょっと加工しました。以下をご覧ください。

菊地選手は投球の際、右足を踏み込んだ時にほぼ右肩の位置を固定した状態で左腕を振ります。これは上述の右側の図のような投げ方でボールを投げていると言えます。

私が現役の頃、投手コーチは「グローブを持っている方の肩を引け!」と指導する指導者が多かったと記憶しています。

しかし、アメリカでは「グローブを持っている側の肩を引くとパワーロスが発生するので、固定することで利き腕を振る速度が上がる」と指導されるそうです。

最初の図●O部分が菊地選手の右肩(部分)に相当します。

短距離走の時に上半身に力が入って肩を振ると同じようなロスが発生します。

今回、私がお伝えしたかったのは投球技術のことではありません。

「グローブを持っている側の肩を固定する」はひとつの理論であり、理論を選手に伝達する時に「合理的な根拠」を持っていますか?という問いかけです。

選手は指導した時に「教えを守ろうとする努力」をするでしょう。

そんな選手の努力に応えるためにも指導者は指導に責任を持たなければなりません。

「根拠を探す」「根拠を示す」は指導者が責任感を表現する方法のひとつだと思います。「俺はこうやってきた」と経験則を元に指導することが悪いことだとは思いません。しかしその経験則は「単なるまぐれ」の可能性もあります。再現性のある理論であるならば「合理的理由」を見つける必要があるのではないか?と思います。自らの理論に合理的根拠を探すことは、指導者にとって自分自身の成長にも繋がるとも思います。

私は技術習得には下記の3段階があると思います。

①まずは技術を頭で理解する

②頭で理解したことを身体を使って表現する

③頭で理解したこと、または身体で表現したことを言葉で説明できる

少年野球の指導者は簡潔で納得感の高い③が求められると思います。

子どもを相手にするわけですから、「なんとなく・・・」では伝わりません。

自軍の選手に対して「わかってない」「できない」と評論している場合ではありません。ましてや怒鳴って自分の主張を押し付けている場合でもありません。


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