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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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「間が悪い」という指摘は有効か?


指導者は選手に対して様々なアドバイスを行うと思いますが、そのアドバイスは選手の「改善」に繋がるものでなければなりません。選手が改善に向けた行動に着手できないアドバイスは全く無意味です。むしろ悪影響さえあります。

例えば、投手に対して「間が悪い」という指摘をする指導者が居ます。

試合などを見ながら「間が悪いなぁ」と呟くと、何となく野球通な雰囲気を醸し出し、「この人は野球を知っている」と思われがちです。その指摘は正しいかも知れませんが、これを選手に指摘しても意味を理解できる選手はとても少ないです。

でも知った風に「間が悪い」と口にする指導者は多いんですよね。

そもそも投手にとって「有効な間合い」は大きく分けて2種類あると思います。

①相手打者が集中しにくい状態をつくる

②守っている自軍選手の集中力を高める状態をつくる

これらを構成する要素はとてもたくさんあります。

「間合い」と言われると投球間隔を指しているように思われがちですが、①の場合は「球種の選択」を間違うと「なんでそこでスライダーなんだよ」と間が悪いように見えます。②の場合は「逆球」も間の悪さに見えたりします。その他「牽制球の頻度やタイミング、強度」などとてもたくさんの要素で「投手が醸し出す『間』」は形成されています。

これら全てを「間」と表現することは抽象的過ぎて、指導者の言葉としては適切ではないと思います。

「①②のどちらの間合いのことを言っているのか?」

「どの行為が『間合いの悪さ』に該当するのか?」

「この状況ではどんなことを最も重視して『間合い』を形成するか?」

それぞれを具体的にアドバイスしなければ、選手の改善行動には繋がりません。それを「間が悪い」とだけ言い放つのは指導者ではなく、ただの評論家です。

前にも書いたことがありますが、指導者の役割は「選手の能力を最大限引き出すこと」です。どんな立派なことを言おうが「この指導者は野球をよく知っている」と崇められようが、選手の行動を改善できなければ指導者として無価値です。選手にとって価値ある指導者になるためには課題の指摘は具体的かつ詳細でなければなりません。

私も選手を見ていて「何かわからないが違和感がある」と感じる時があります。でも違和感の原因が詳細に特定できない時は有効なアドバイスもできないので選手への指摘はしないようにしています。抽象的な指摘をしたところで選手を混乱させるだけで何の効果も期待できないからです。

具体的に指摘できないのは自分の勉強不足が原因です。書籍を読んだり、他人に教えを乞うなど学習するしかありません。


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