人間には生活習慣によって形成された「自分にとって心地良いペース」があり、チームにも「チームのペース」があります。野球のグラウンドを見渡せば「キビキビしているチーム」「のんびりしているチーム」様々です。
ここで問題ですが、
①自分のペースよりも速い環境
②自分のペースよりも遅い環境
この2つのうち、『適応しやすい環境』はどちらだと思いますか?
答えは概ね『②』の方が適応しやすいと思います。極端に遅くない限り②は対応できますが、自分のペースよりも速い環境では普段よりも速い思考と行動が要求されるのでストレスがかかります。ペースを守ることは安定した結果を出すことに繋がりますし、相手のペースを崩すと有利になります。

野球でも同じだと思います。グラウンドに行くと「キビキビと動くチーム」「のんびりしたチーム」様々です。のんびりしているチームは相手に余裕を与えます。試合中にゆっくりボール回しをしていれば、次打者はゆっくり打席に向かうことができますし、投球間隔が長ければ、打者は余裕を持って自分のルーティーンをこなすことができます。
普段から「速く動くルーティーン」が定着していると相手から余裕を奪い、試合を有利に運ぶことができます。チームのペースを上げる方法はいくらでもあります。
◎常に次のことを考えながら行動する
・練習メニューの切り替えは走って行動
・攻守交代は素早く
・ストライク先行の投球
・無駄な投球間隔の圧縮
・フットワークを使ったキャッチボール
・長くボールを持たない(捕ったらできるだけ早く送球)
・積極的な打撃
・ひとつでも先の塁を狙った走塁
・遅れている選手に対する積極的な声かけ etc
まだまだありますが、結局は何をするにも◎「常に次のことを考えながら行動」が全ての起点となります。「次は何が必要か?」「次は何をすれば効果的か?」といったことを考え続けていることが速いペースを作り出す原動力となります。こういうことは試合でいきなりやろうと思ってもできませんし、やっても習慣がついていなければ1試合終わるまで集中力がもちません。
指導者がガミガミ怒って動かすとその場はキビキビ動きますが、目を離すと休むようになります。チームのルーティーンとして根付かせるためには「次は何が必要」を考える力を育まなければなりません。できるだけ選手に考えさせ、思考が促されるような助言を行い、能動的に「次は何をすれば効果的か?」を考える習慣を根付かせたいです。
オフシーズンの時期に「速いルーティーン」を作ってみませんか?
これらを徹底すると試合の時に守備の時間が短くなり、試合の主導権が握りやすくなります。速く動くことは緊張感も保たれますのでミスも減ると思います。試合が始まるとなかなかチームのペースを変えるのは難しいですが、この時期であれば今から取り組んでもそこそこ成果は出ると思います。
強いチームには「速いルーティーン」を牽引する選手がいますし、そういう選手がリーダーにいるチームは強くなります。