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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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少人数チームにおける「競争なき成長」の難しさ

  • 2024年12月14日
  • 読了時間: 3分

現代では野球チームも「人数が少ないチーム」が増えました。

少子化の影響もありますが、一部の強豪チームには昔と変わらない激しい競争がチーム内で繰り広げられ、人数の少ないチームは「全員が試合に出られる」状態です。人数が足りなくて他チームと合同チームを編成するケースもあります。


「競争」は指導者から見るととても都合の良いシステムです

選手に競争相手をあてがうことで選手に対して自ずと目標設定がされます。細かな課題設定や目標設定をすることなく「ポジションを獲れー!」と言っていれば選手が自発的に努力してくれるので、指導者は競争結果を相対的に評価するだけです。


しかし現代は少子化です。「競争」というシステムでチーム運営できないチームも増えています。その場合、指導者は「競争」という仕組みに頼らず、個々の選手に対して適切な目標設定をし、プロセスを伴走することで目標設定に導いていかなければ選手が成長していくことはありません。選手にとってもわかりやすい目標を見つけることができなければ試合に出ることはできていてもそれほど成長することなく時間だけが過ぎるという事態もあります。


「競争がない」ということは表面的には楽ですが、『成長』という観点では選手本人もそれを支援する指導者にとっても難易度が高くなるのです。


人数が少ないチームで選手を成長に導くには?

やはり「目標設定」や「プロセス支援」がとても重要になります。

とくに人数の少ないチームでは全学年一緒に練習することも増えますので、グラウンド内にいる選手のレベル差も大きくなることがあります。レベルの異なる選手個々に対して、適切な目標設定やプロセス支援を行うスキルが求められますし、選手に対しても「自分との戦い」に向き合う心を育むようなことが求められます。


「うちは少数精鋭です。試合にも出られます。」

ということを謳うチームはたくさんあります。「試合に出られる」ということ自体は事実でしょう。社員が足りない会社でいろんな仕事を任せられるのと似ています。確かに様々な経験を積む機会を得るのである程度の成長はすると思います。しかし「経験」だけで成長できるのは能力の高い一部の選手だけです。経験に応じて適切な支援をしていかないと経験が成長につながらないケースも多々あります。


実は人数が少ないチームほど「どんなことを教えているか?」が重要なのです。

少人数のチームで「大人がアレコレ言わなくても選手は育つ」とか言っている指導者は、人数が多かった自分の現役時代の経験則で考えている、考えの古い指導者だと思います。


現場にいると、10人選手がいると練習中は座る暇もないくらい忙しいです。黙って見ているだけでも凄い情報量です。その膨大な情報に対して原因の仮説立て、仮説の検証方法を整理するだけでもすごく頭を使います。


  • どれくらい指導者が忙しく動き回っているか?

  • 個々の選手に対して明確な育成ビジョンや計画を持っているか?


成長を望むのであれば、チームを選ぶ時にはそんなところもチェックしたいポイントです。


現在指導しているチームも少人数のチームです。

最近はキャッチボールのレベルが底上げされてきたし、考え方も浸透してきたので少し指導が楽になりましたが、来年になれば新入生が入ってきてまた大変になります。でも「基礎技術の指導」「考え方の浸透」に手間をかけなければ指導者の存在意義はないと思います。



 
 
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